城興寺 (京都市) (Joko-ji Temple (Kyoto City))

城興寺(じょうこうじ)は日本の京都市南区 (京都市)にある真言宗の寺院である。
歴史的名称では成興寺とも書く。
山号は瑞寶山(ずいほうざん)。
現在の本尊は円仁作とつたえられる千手観音である。

概要

創設は平安時代後期の応徳2年(1085年)。
寺地は藤原氏の邸宅の一つ九条邸があったところで、ここに藤原道長の孫藤原信長がいとなんだ九条堂(または九条院)を起源とする。
その後永久 (元号)元年(1113年)に藤原忠実がこの堂を寺とし、保安 (元号)3年(1123年)に伽藍供養がおこなわれた。
平安時代末期には、以仁王がこの寺の寺領を領していたが、治承3年(1179年)平氏政権によってとりあげられた。
このことが以仁王以仁王の乱の詳細の原因のひとつとされる。
平氏滅亡後、城興寺は以仁王の子真性にうけつがれ、16世紀の記録によると寺領は比叡山不動院の管理下にあったことがしられる。

創建当初は広大な寺域をほこったが、徐々におとろえ、現在(2006年)では、本堂の観音堂と庫裏、寺内社として薬院社を残すのみである。
江戸時代から観音霊場として有名で、安永9年(1780年)発行の『都名所図会』には「成興寺は九条烏丸にあり、本尊観音は慈光大師の作なり」という記載がある。
洛陽三十三ヶ所観音霊場めぐりの二十二番札所。

境内の薬院社は、平安時代初期にこの付近にあった平安京の施薬院に由来し、薬院稲荷として崇敬をあつめてきたが、明治11年(1877年)に城興寺陀枳尼天堂に合祀された。

所在地・アクセス

京都市南区東九条烏丸町7-1(烏丸通九条通上ル)
京都市営地下鉄九条駅 (京都府)、京都市バス大石橋バス停下車すぐ

[English Translation]